Q.こんな本を持っておくといいとかありますか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:辞典(事典)が大事です

一昔前なら、作家は複数種類の辞典(事典)を持っていて当たり前、なんて話がありました。
自分が使っている、あるいは使おうかと考えている言葉が適切な意味なのか、もっと適切な言葉があるのではないかと確かめるのは、作家として非常に重要な作業であるからです。

でも、今はなかなか紙の辞典を複数揃えて確かめる、という習慣のついている人も多くないですよね。いちいち調べるのは面倒くさいという人も多かろうと思います。私も、あまり紙の辞典は使いません。
しかし、言葉の確認は必要です。どうすればいいのでしょうか。

実は、今ならいい手があるんです。それが電子辞典やインターネットでの辞典サービスを使うことです。
これらの「デジタル」な辞典のいいところは、なによりも検索性が高いことです。紙の辞典をめくるのは苦労します(時に手が切れたり!)が、デジタルな辞典ならキーワードを一発打ち込めばそれでOK。これは大きいですよ。
デジタルな辞典は複数種類あり、値段や収録されている辞典・事典もさまざまです。買い切りのものもありますし、一月いくらのサービスもあります。複数の辞典・事典が検索できる優秀なサービスは値段も高く、プロ以外の人にはあまりおすすめしにくくなります。
そこで、無料の「コトバンク」はいかがでしょう。国語辞典や百科事典としてはちゃんとしてますから、便利ですよ。

また、紙でも電子でもいいので押さえておいた方がいい辞典として、類語辞典があります。一見して似たような言葉でも微妙な違いはあるもので、シチュエーションにあわせて適切な言葉が使えるかどうかが表現の魅力には大きな意味合いを持ちます。そのためには語彙力(知っている言葉の数)が大事で、類語辞典を手元に置くのは良い選択肢であろうと思います。

A:とっかかりになる本が欲しいです

辞典・事典以外だとどんな本が役に立つでしょうか。事典的な、一つのジャンルについて網羅的体系的に書かれた本をいろいろ持っていると便利です。
新紀元社や原書房から出版されている本に該当する本が多数あります。自分が興味のあるジャンルについて何冊か揃えておくといいでしょう。

何かについて知りたい、調べたいと思っていても、「自分の知りたいことが本当になんなのかはよくわからない」ことが結構あります。「なんか騎士が足元につけているもの」とか「武士の生活習慣みたいなもの」などあやふやな物事だと、インターネットで検索をかけるにしてもかなり難しいことがよくあります。そんな時に事典スタイルの本があると、答えのありそうなところを読むことで「検索のための最初のとっかかり」にたどり着きやすくて便利なのです。

ただ、事典スタイルの本はサイズにしても値段にしてもご立派なものが多く、気軽に手を出しにくいという問題もあります。
そこで、図解やイラストを多数収録して一つのジャンルや内容について紹介するタイプの本を入手するのも良い手でしょう。事典スタイルの本よりも手軽で、読みやすい本であることが多いので、皆さんにとって大いに役立つはずです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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