出版社に持ち込みはありかなしか

榎本秋のクリエイト忘備録

マンガと違い、小説の持ち込みを受け付けてくれる出版社はほとんどありません。
ただ、持ち込みで出版できるケースもあります。それは知り合いや師匠筋の作家さんに紹介してもらうケースです。
しかし、最近はこうしたケースも減ってきました。いくつかの要因があります。大本は出版不況で本が売れないことなのですが

・編集者の仕事量が増えて、持ち込みまで対応できない
・本が売れなくなり、受賞作じゃない新人のデビュー作が売れる可能性が低い
・WEB発ですでに知名度や人気がある作品が増えた

ことが大きいと思います。

また、受賞作は作品や作家の可能性を評価されているわけですが、持込の場合はそうではなく。
色々なケースがありますが、対応する方の熱量も変わってしまうことが多いように思います。

なので、基本持ち込みはせずに新人賞に送れるのなら新人賞へ。またはオファーが来るのを待つのが良いと思っています。
持ち込みの営業に使う時間で作品と向き合う方が、より良い結果を生むのではないでしょうか。自分の経験でも、この10年の業界を見ていてもそう思います。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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