裁判の判例集というのがあります。刑事や民事の事件の判例をまとめてわかりやすく解説してくれているものです。
日本では日々どんな事件が起きているのかを知るのに判例集はとても役に立ちます。
いわゆる試験や受験向けの難しいものではなく、わかりやすいものを探して読んでみましょう。
遺産相続や免罪事件なんかのエピソードを集めたものもいいです。【事実は小説よりも奇なり】とよく言いますが、実際に起きたことを自分の作品に加えていてくとリアイリティが増します。
当然、事件そのままを使うわけにはいきませんが、モチーフとして使えます。また、こういった判例集や事件のエピソード集から書きたいものが見つかるかもしれません。
まずおすすめするのはサブエピソードやリアリティを増すための小さいエピソードです。とはいえ、取り組みたい事件があったら、その事件をメインプロットにして描いてみるのもいいと思います。
免罪事件や、冤罪事件、猟奇事件、不可解な事件を自分なりに改題し、テーマを作っていくのも面白いでしょう。
犯人が決まってないので判例はないですが、昔話題になった三億円事件は色々な作家さんが取り上げていますよね。私としては、横山秀夫さんの『ルパンの消息』をおススメします。
今まで起きてきた事件、判例を知るとあなたの創作世界の幅が広がっていくでしょう。
榎本秋
榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。