人との出会いを大切に

榎本秋のクリエイト忘備録

「学校に行ってないけど小説家になれますか?」という質問をよく受けます。
学校に行っていなくても良い小説を書いている方はもちろんいます。
ただ、学校や部活、アルバイト・社会人などの日常生活を送ることも小説を書く上で大事です。小説は主に人間同士の物語なので、いろいろな人と接点を持ち、経験することで創作にも活きます。
経験というのは非常に大事です。どこで物語のネタに出会えるかわかりませんし、誰かの他愛のない会話がアイデアのヒントになることも珍しいことではありません。行けるなら少しでも学校との接点は持ったほうが良いと思います。
とはいえ、学校に行かなかったということもまた経験になります。その経験をもとにして、同じように学校へ行かない読者に向けた作品を届けることもできるでしょう、ですので、絶対に学校に行かないといけないと言う気はありません。行かないなりにできる経験はないか模索してみてもいいでしょう。

経験について
できればたくさんの人とお話をしましょう。他人との距離感、会話のリズムなどは人と話していないと身につきません。
併せて、勧めているのが飲食店のバイトです。
色々なお客さんが来るからです。理不尽なこともあればお客さんと仲良くなることもあるでしょう。
私自身、出向いた飲食店でアルバイトをされていた方の舞台に伺い、感動したこともあります。
世の中には本当に色々な人がいて、人によって『間』も『思考法』も『常識』も違います。気が合う人、合わない人、理解も難しい人もいると思います。
そういった多様な人たちに触れることによって、あなたの作品世界はより豊かになっていきます。
ちなみに以前、私の会社の入社条件に「飲食店のバイト経験がある」がありました。

人と人との出会いというのもとても面白いもので、第一印象で「この人とは合わないな」と思った人と仲良くなることもあります。変にバリアーを作らず、なるべく多くの出会いを求めることは大事だと思います。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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