復讐譚

ワンポイント

復讐。これほど盛り上がるパターンもそうはありません。
古来の神話伝説にもさまざまな形でこのパターンが登場します。
家族を殺されたり、大事なものを奪われた人物が、武勇や知略の限りを尽くして復讐する。
奪われたものが大きいほど、倒そうとする仇が強いほど、これは盛り上がります。

そう、復讐は普通「奪われた」「失った」状態から始まりますよね。
これはつまり、マイナスからのスタートです。
あとはそこから上がっていくだけなので、自然と盛り上がる構造になっています。

これが何も失われていない状態、あるいは「持てるもの」として盛り上げるためには、
マイナスからのスタートよりもさらに高い盛り上がりへ、
話を持っていかなければいけないわけです。

また、復讐ものはテーマ性、メッセージ性を掘り下げるのにも向いています。
復讐は正義なのか、それとも悪なのか。
復讐は虚しいと考えるべきなのか、それとも一段落として必要なのか。
十人十色、それぞれに価値観があり、説得力のある主張ができるテーマです。
これも、物語を盛り上げる重要な要素の一つなのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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