
この問いかけに自信を持って「はい」と答えられる人は決して多くはないのでは。
実際、作品をかいているときってなかなかそんな細かいことは考えられないですよね。
自分の書きたいことを形にするだけで精一杯の人がほとんどのはず。
最初はそれでいいとおもうのです。
良い作品を作ろうとすると悪しき完璧主義の罠にはまります。
まずはともかくも完成させることが第一。余計なことを考えたら筆が鈍ります。
でもやっぱり、二作目、三作目からは読者を想像して書くようにして欲しいのです。
あなたの作品を喜んでくれるのはどんな人でしょうか。
年齢、性別、趣味嗜好……顔まで想像ができますか。
それは実在する人でしょうか。
いるとしても人数はどのくらいでしょうか。
その人に、あるいはそれ以外の人に喜んでもらうためには作品にどんな要素を入れれば良いのでしょうか。
それが意識できなければ、真に人を楽しませるエンタメは作れません。
一朝一夕でできることではありません。プロだって苦しんでいる難問です。
しかし、意識しなければ最初の一歩も踏み出せないのです。
是非、普段から読者の顔を想像できるように努力してみてください。
【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。