時事ネタを使いこなす

アイディアと観察

小説はナマモノです……この言葉にはいろいろな意味があるのですが。
とりあえずここでは「エンターテインメントには同時代性が必要です」という意味だと思ってください。
その時代の雰囲気、気配とも言うべきものが現れていてこそ、人を楽しませることができる、ということです。

では、そのナマを生かすために、同時代性を出すためにはどうすればいいのでしょうか。
一つの手として、「時事ネタを取り込む」ということがあります。

これも色々解釈がありますが、とりあえずここでは
「噂話や流行りネタ、ニュースやワイドショーなどで扱われる話題」
のことだとさせてください。
それらは今この瞬間に話題になっていること、人々が興味を持っていることです。
当然、同時代性を強く持っています。「今」の「ナマ」のテーマです。

ただ、時事ネタは扱いに注意が必要な要素であることも間違いありません。
「ナマ」であるということは鮮度が大事で、つまり放っておけば腐ります。
「風化する」という言い方もしますね。
特に流行りのギャグとか、流行語・流行話題はすごい勢いで風化します。
「最新だと思ったらもう忘れられていた」ケースに注意。

また、話題の事件などを扱うときにも同じような注意が必要です。
この時は風化よりも、「ああ、この事件知ってる」にならないよう気をつける必要があります。
そのため、要素をそのまま持ってくるのではなく、アレンジをし、
なんとなれば「そうか、あの事件が元ネタか。考えもしなかった」くらいにするのが良いでしょう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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