意表を突く笑い

物語を彩る

笑わせるテクニックとしては、「意表をつく」というのが大事です。
Aと思ったらBだった、と言い換えてもいいでしょう。
相手に予測させ、それを外す。すると笑いが生まれるのです。

これは別に笑いだけではないのですが、人間は予想通りのことには心が動きません。
ハードルが高くなっているからです。心が守りを固めている、といってもいいでしょう。
ところがこうして身を守っている時、予想外な方向から突かれると、普通よりむしろ大きく感情が動くものです。

なるべく、突拍子も無いことを考えてみましょう。
「いや、そうはならないだろう」ということを考えてみましょう。
笑いはそこから始まるからです。

あるいは笑いのテクニックの中に「天丼」というのもあります。
これは同じギャグを複数回繰り返す(最後にパターンを変えたりする)ことで笑いを取ることをいいます。
普通ギャグというのは一発勝負なのに、同じことをする……というのが「変」であり、意表をつくわけですね。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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