
現代エンターテインメントでキャラクターが重視される理由は色々ありますが、
その中の一つに「キャラクターが思いつけば物語も世界設定もついてくる」というものがあります。
つまり、
「このキャラクターが活躍できる物語はどんなものか」
「このキャラクターがふさわしい世界はどんなものか」
と考えていくわけです。
もう少し、具体的にしてみましょうか。
あなたの思いついたキャラクターに、こう問いかけてみてください。
「あなたの目的は?」
「あなたのしなければいけないことは?」
「あなたの前に立ちはだかるものは?」
これだけで十分に物語が作れるはずです。
ただ、問題が二つ想定できます。
「俺は世界を救うんだ!」的な大きすぎる目的が出てきたしまった場合、扱いきれないことも多いでしょう。
その場合、「目的の最初の一歩」を意識してみましょう。
また、このやり方だとお話がシンプルになるのがいいのですが、「シンプルすぎる!」ということにもなりがちです。
その場合は、一つの手としてもうひとりのキャラクターを登場させましょう。彼は対立する目的を持っていたり、「実は同じ目的がある」だったりします。
二人の対立を描くことで物語が進んでいくことでしょう。
【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。