異類婚姻譚

ワンポイント

主人公が人間でないものと結婚する。
あるいは、伴侶が人間でないことに気づく――
古今の東西を問わない定番パターンの一つですよね。
学術的には「異類婚姻譚」といいます。

有名どころですと、「雪女」「羽衣伝説」あたりでしょうか。
ちょっと古いドラマですが「奥さまは魔女」あたりもそうですね。
現代のアニメ、漫画、ライトノベルなどでも多種多様に見られます。

昔の作品ですと主人公が人間側、伴侶が人外側というパターンが多かったのですが、
最近は主人公こそ人外側、というパターンも多く見られるようになります。

このパターンのいいところは、主人公と相手が「違う」ことです。
能力、生活習慣、価値観、友人、親戚、寿命、未来――色々なことが違いますよね。
そして違うということは、そこから物語が作れるということです。

違いをすり合わせるためのドラマにせよ、違いがぶつかって生まれるドラマにせよ、
いくらでもなんとでも作れますよね。ここが面白さにつながるのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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