ヤマとタニ

ワンポイント

何よりも物語に必要なのはヤマとタニの組み合わせです。

・ヤマ=読者の興味を引く展開、盛り上がり
・タニ=説明やキャラの落ち込みなど、クールダウンする展開

と考えてもらえればほぼ間違いはないでしょう。

この二つについては、どちらかに偏ってしまう人が多いように思います。
とにかくヤマ、ヤマ、ヤマがあればいいんだろう! という人か、
ストーリー展開に必要な要素を並べていたらタニばかりになってしまった人か。

かつて隆盛を誇った2時間ドラマ、あるいはハリウッドのアクション映画などは、
このようなヤマとタニのバランスに非常に気を使っていますので、
DVDや再放送などで見ると大いに参考になるでしょう。

でも、「ヤマが作れない」という人も多いかと思います。
そこでおすすめなのは「主人公をピンチにすること」です。

強い主人公にはもっと強い敵を。集団を味方にする主人公は集団から切り離しましょう。
心根が優れた主人公はその心根を試しましょう……。

おそらく、あなたの感覚ではちょっとやりすぎなくらい、主人公をピンチにしましょう。
そのくらいでちょうどよくなるはずです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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