
カッコいいキャラクターとは、どんなキャラクターでしょうか。
この答えは人によって本当に様々ですよね。能力が強い、心が強い、立場が強い。色々なパターンがありえます。
ただ、一つ普遍的なパターンがあります。
それは(読者の視点から見た時)自分にできないことができる人を見て、「カッコいい」と思うことです。
強大な敵。
恐ろしい何か。
世間の目。
そうした、「この状況、自分だとどうにもならないなあ」という時に、
堂々と、あるいは怯えながら、覚悟を決めて、立ち向かえる人。乗り越えられる人。
そのようなキャラクターをこそ、私たちは「カッコいい」と思うのです。
だから例えば、「道端で倒れている人に手を差し伸べられる」人、
「電車の中で困っている人に声をかけられる人」もまた、
十分に「カッコいい」の条件を満たしているのです。
カッコいいキャラクターをつくると言うと、どうしても派手な要素を付ける方向に偏りがちですが、
そんな日常的な「カッコよさ」にも目を向けてみませんか?
【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。