セリフと地の文の関係

ワンポイント

皆さんは会話シーンをどういう風に書いていますか?
どんどんセリフで掛け合いを続けていって、どっちが喋っているかわからない時だけ、
●●は言ったなどの地の文でのフォローを入れる?
それでもけっして悪くはないのですが、小説を書くのに慣れてきたなら、
一段上のテクニックにも挑戦してほしいのです。

人間は誰かと喋っている時、ただただ口だけを動かしているでしょうか。
そうじゃないはずです。
睨んだり、笑ったり、奥歯を噛み締めたり。
髪をかきあげたり、手を振ったり、地団駄を踏んだり。
感情を示したり、状況を反映したりする仕草が必ずあるはずです。

あるいは、しゃべっている間に周囲の状況が変わることもあるでしょう。
後から何かに気付く、ということもあるはずです。
それらを地の文に書き込むのです。

そうすることで、台詞だけでは伝わらないもの、見えないものが見えてくるのです。
これ、意外とよくあることで、作者の頭の中にはそのシーンの状況がありありと映っているのに、
実際書いているのはただの台詞のやりとりだけなのでよくわからない、となるのです。

ただ、注意点が一つ。
地の文は書きすぎると鬱陶しくなる。情報が多すぎ、読みにくくなるのです。
最悪、「あれ、この前に何言ってたっけ?」ということにもなりかねません。

会話のテンポを重視するか、細かい情報を書き込む説明を重視するかは
個人の好みもあるし、ケースバイケースでもあります。

オススメは、自分の好きな作家の模写をすることです。
そうすると、その作家がどんなリズムで会話の間に地の文を差し込んでいるかがわかるようになります。
それを手本に、自分なりのパターンを見出せばいいのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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