
作品を作っていて、細かいことが気になること、ありませんか?
悪いことじゃあありませんよ。
別項でも触れた通り、完璧主義は作品の完成度を上げるために有効なこともあります。
でも、完璧主義が足を引っ張ることは他にもあるんです。
新人賞受賞作を見てみると、感じることが一つあります?
それは、どちらといえば荒削りな作品が多いこと。
もちろん、アラなんてほとんどない、とても新人が書いたとは思えない作品もありますよ。
でも傾向としては、「アラはあるけど魅力の方がもっと多い」作品の方が多いようです。
編集部としても(それぞれ方針は違いますが)、
新人の段階ではとにかく成長性、将来性が重視されやすいと見えます。
綺麗にまとめようとすると、どこかで見たような話になりがちです。
自分のやりたいことを(ちょっと問題が多くとも)貫いた方が、結局は成功に近づきます。
そんな思いで、細かいことよりも作品の魅力を磨いてみませんか?
【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。