笑いの効用

ワンポイント

皆さん、「笑い」は自分の物語に必要だと思いますか?

もちろん必要だ、私はコミカルで読んでいて笑いが止まらない話が書きたいんだ、
と言う人もいるでしょう。

正直必要だとは思わない、私はあくまでシリアスな話が書きたいんだ、
と言う人もいるでしょう。

もちろん、どっちが正解という話ではありません。
でもここではあえて、後者の人にも、「笑い」の効用について考えてほしいのです。

破滅的なギャグを入れろ、と言う話ではありません。
「笑い」ってそれだけじゃないですよね。
個性的なキャラクターが喋っているだけでもなんだかくすっとしてしまうこと、ありませんか?
田中芳樹『銀河英雄伝説』や茅田砂胡『デルフィニア戦記』あたりの読者なら
わかってくれるんじゃないかな、と思うんですが。

もちろん他の作品でも、基本的には真面目に話をしているのに、キャラクターたちに笑わせようと言う気はないのに、
ちょっとしたすれ違いや、言葉の掛け合いだけでなんだか笑えちゃうシーン、ありますよね。

そのような「笑い」はキャラクターへの好感度を高め、お話に穏やかな面白さを生みます。
それは、作品の魅力を高めるために(必須とは言いませんが)非常に大事なものなのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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