ジャガトマ警察とか気にしない!

ネタ出し

「ジャガトマ警察」なんて言葉を聞いたことありますか?
「この作品は中世ヨーロッパ風なのにジャガイモやトマトがあるのはおかしい」と難癖をつける人たちのことです。

なるほど、ジャガイモやトマトがヨーロッパに持ち込まれたのは近世、大航海時代になってからのことです。
原産地はアメリカ大陸なのです。
だから一理はある……のですが、でも冷静になってください。

その世界はあくまで中世ヨーロッパ「風」であって、そのものではありません。
実際のヨーロッパと違ってジャガイモやトマト(あるいはよく似た植物)が
最初からあったって、おかしくはないじゃありませんか?

何より、一番大事なのは「ヨーロッパをきちんと再現していること」ではありません。
・その世界が魅力的で、読者をワクワクさせること
・その世界のあり方とキャラの行動や判断が結びついていること
なのです。
細かい設定にこだわっても作品が面白くなければ意味がないのです。

ただ、細かいところにこだわって面白くなったりするのも事実です。
例えば、本当に中世ヨーロッパにジャガイモがあったなら、人口は実際よりも大きく増えたはずです。(実は米もそうです。米がメイン穀物になるアジアはだから人口が多かった)
人が増えると、社会のあり方が変わります。農村から人があぶれて都市へ流れ治安が悪くなったり。そうしたら、歴史はどう変わるでしょうか。
そこからまた新しい物語は作れないでしょうか……。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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