そっと耳を澄ませよう

アイディアと観察

ウォークマンの普及から時が経ちまして、今では耳にイヤホンをして町を歩き、あるいは電車に乗る人もすっかり当たり前になりました。
喫茶店やファミリーレストランなんかに行きますと、やっぱりイヤホンしながら食事をしたりお茶をしたり、というのも珍しくない光景です。

悪いことではありません。私だってよくやりますよ。
集中するのに必要だったり、無音に耐えられない人も多いでしょう。
でも、それは自分の世界に閉じこもり、観察の機会を失っているということです。もったいないですよ。
たまには、イヤホンを外して、周囲の人が何を話しているのか……聞いてみませんか?

昼下がりにファミリーレストランでノートパソコンを開いて作業していると、色々な話が聞こえてきます。

・仕事の打ち合わせ。
・何かの売り込み。
・恋人同士の語らい。
・主婦の愚痴。
・趣味の話。

結構色々聞こえてきます。
面白い話は目立たないようにこっそりメモしましょう。

ただし、実際の出来事、聞いたことを「そっくりそのまま」物語に使うのは当然、NGです。キャラクターを変え、シチュエーションを変え、自分の物語の中に取り込むことをお忘れなく。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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