創作基礎1:なんのために小説を書きますか

創作基礎

小説を書く理由、5つくらいありそうですね

皆さんは小説を書きたい人ですよね? でないとこのサイトにアクセスしないですよね。
ではその小説、なんのために書くのか……って考えたこと、ありますか?

変なことを言うな、と思うかもしれません。
オレは目的がバッチリ決まってる、そこへ突き進むだけだ……という人は、ぜひ次の章へ飛んでください。
でも、「考えたことなんてない」って人もいるはず。この章は、あなたのためのものです。

「そんな事考える必要あるの?」――もちろん、あります。
何のために小説を書くのか、目標をどんなレベルに設定するかで、求められる能力や心構えが違うからです。
 代表的なものとして、こんなところでしょうか?

1:自分の思いを表現するため
2:友人に見せるため
3:インターネット上で公開するため
4:同人誌上で公開するため
5:プロを目指し、新人賞に応募するため

「1」のあなたは、ぜひ、自分の思いのたけをそのまま作品に叩きつけてください。
いいストーリーがどう、人気のあるキャラクターがどうなどという小賢しい話は不要です。
言ってしまえば自己満足ですが、悪いことでも何でもありません。
自分の中にあるもやもやした気持ち、何かへの憧れ、怒り、悲しみなどを、
物語という形に昇華するのは、創作の最も基本的なあり方の一つだからです。
そのことがあなたの人生にプラスに働くのであれば、充分な価値があります。

「2」「3」「4」は、そこにコミュニケーションの要素が入りますね。
誰かに読んでもらうために書くわけです。
「ついでに読んでもらうか」から「一人でも多くの読者に届けたい」まで、
気持ちにグラデーションはあるかもしれません。
それでも、読ませたい相手がいるなら、その人のことを考えなければないけません。
「どんな読者かな?」「このキャラ気にいってくれるかな?」「この書き方で伝わるかな?」
――こういう事を考え始めると、このサイトで紹介するようなテクニックが必要になります。

「5」のあなたは、最も難しい道を進もうとしています。
優れた創作力と、強い精神力と、人並み外れた個性と、天に愛される運……の、
全てとは言いませんが、一つか二つはほしいところです。
数千人や数万人の読者を想定しないといけませんし、
ライバルと比べて「この作品はすごい」と思わせる魅力を作品に持たせなければいけません。

あなたはプロ作家を目指しますか?

この5つの目的に優劣をつけるつもりは、ありません。
ストレス発散のための創作も、プロを目指す創作も、ともに素晴らしいものです。
ただ一つ言うのであれば、いまはプロを目指す人にとってはなかなか難しいといえます。

以前は、自分の中にあるイメージを多くの人に伝えたい、自分の創作で沢山の心を動かしたい、
自分の作品を多くの人に褒めてもらいたい(承認欲求というやつですね)という場合、創作のプロを目指すしかありませんでした。
同人文化も今ほどではありませんでしたし、ネットもありませんでしたから。
しいていえば、ラジオや雑誌の投稿コーナーで同じようなことはできたでしょうか。

でも、いまはもう違いますよね。
プロにならずとも、インターネットや同人小説のアマチュア作家としても、多くの読者を獲得できる可能性があります。
「そもそもそこまで望んでなくて、数十人か百人が見てくれればいいよ…」ならなおさらです。
また、ブログやツイッターなどを介して「人生で一番の体験や経験をもとにした」物語を出してくるアマチュアとも競わなければなりません。
プロフェッショナルとしてこれに立ち向かうのは非常に難しいことです。

それでも、「いや、オレはプロになるんだ!」というあなた。
「そこまででもないけど、沢山の人に見てもらえたらいいなあ」というあなた。
このサイトは、きっとあなたの役に立つはずです。

まずは、「自分は何がしたくて小説を書こうとしているんだろう」と考えてください。
自分自身と向き合うことは、「私にはこういう能力が必要だ」「私はこういうことがしたいんだ」という気付きになるはずです。

それはきっと、あなたの創作にとってプラスになります。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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